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KeySound

モールスコード練習機などと言っていますが、キーイングを音とて聞く為の道具であります。

普段じゃんじゃんCWでQSOしている私が今更モールスコード練習機など必要になるのか、  いや!別に練習する訳では無いんですが、エレキーのテストや、コンテストソフトのファンクション・メモリーキーの送出テストなどに何らかの方法で符号を音として耳で聞く必要に迫られる事が有ります。その時にいきなりトランシーバーに繋いで、電波を出してテストする訳にも行きません。(ダミーロードを繋ぐ方法も有りますが) そんな時に簡単に音響発生でテストしたいなどの必要性から簡単に"555"の発信器でテストしたのですが、全く酷い音にガッカリしました。 世の中にある殆どのCW練習機がこの手の発信器、即ちデジタル発信器による矩形波の音を聞いている事に気が付きました。 敢えて表現すれば濁った音、尖った音で、決して綺麗な音とは表現出来ない音で、聞くに堪えません。

そこで、少し回路が複雑になりますがサイン波で綺麗な音を出す発信器を製作しました。(製作は2009年9月)
名付けて"KeySound"

ケースはタカチ"SW-100" 大きさは、W:65, D:100, H:35 樹脂製の箱に回路、超小型スピーカーと電池を組み込み、Key inputとSP outのジャック、音量と発信周波数調整のボリューム、電源スイッチが外部に出ています。 発信周波数は400〜900Hzのサイン波で、綺麗な音が出ます。

  

電源としては、回路は広範囲な電圧で動作しますので9Vの006Pでも良かったのですが、此処では単三乾電池3本としました。
また、回路は蛇の目基板に組み立てて、基板の止めネジなどは外に出したくなかったので、各ジャックなどの基板外への配線に錫メッキ銅線で配線し保持する構造にしました。


回路図は、JA7ICのオリジナル設計です。自作などに利用するのは自由ですが、許可無く商業目的に使用を禁じます。

  
スピーカーの取り付け状態と外観

発信周波数の実測では400〜900より少し広い範囲で可変出来ます。 
単独で音が聞こえる様に小さなスピーカーを内蔵しました。 このスピーカーは超小型なので、音量を上げると音が歪みます。小音量で間に合う手元用には充分ですがある程度大きな音量が必要な場合や、イヤーフォーン接続への信号取り出しは"S.P. out"ジャックからφ3.5 モノーラル用プラグで出力します。
外部スピーカーを鳴らす事も問題無く可能ですが、大きな会場で大勢の人に聞かせる様な使い方には、外部アンプでパワーアップが必要です。
その場合内蔵スピーカーからの音は消えます。


この発信器は、測定器では無いので発信波形は、完全なサイン波では有りません。厳密には少し歪んでいますが、音としては充分に綺麗な音です。 
尚、Twin-T発振部の2SC945のコレクター負荷 1KΩを 500Ω程度の半固定抵抗にして調整すると整ったサイン波にする事が可能です。しかし、この場合には発信周波数を下げると発信が停止したり等の不安定領域が出来ます。 また特に音が良くなる等の劇的な変化は期待出来ません。

LM386など、この種のICの特性上、音量を上げすぎると有る値を超えると途端に歪みが増大します。 本機は鳴らした音が歪まない範囲で使います。
LM386は、電源電圧6Vで700mW位の出力が得られますが、150mWを超えると急激に歪みが増加する特性です。
従って本器も当然ながら音量を上げると途中から歪みで音が濁ります。
大きな音量が 欲しい場合は、大出力のICを選べば可能となります。
しかし、大部分のオーディオパワーアンプ用 ICは、出力/歪み特性曲線が同じ様な特性で、定格出力まで上げる事は出来ません。 
講習会や試験会場など大人数で使うなど、更に大きな音が必要になる場合には、AF OUTの出力を更に大型アンプなどで増幅して使う事に成ります。

本器は、自分用作った物で、頒布などの予定は有りません。  欲しい方は、ご自分で製作して下さい。 製作上で知りたいことがあればメール又は掲示板で質問して下さい。 私に分かる範囲で回答致します。


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