移動用 Automatic Antenna Selector

手動式アンテナ切替器は、こちら      

フィールドデーなどのコンテストでは、一度に沢山のアンテナを使うので、アンテナスイッチは欠かせない道具の一つです。
HFトランシーバー用として、3.5, 7, 14, 21, 28, 50の6バンド切替と致しました。 また、手動で使う時にはバンドには関係無く、6回路切替器として使える形を踏襲しました。

そして、今回新たにトランシーバのバンドを切替たとき、ICOM トランシーバーのバンドデータ(Remote 信号)に依ってアンテナも自動的に切り替える装置としました。
本機は、ICOM トランシーバの Remote信号を利用する物です。 Ramoteコネクターの付いている ICOMトランシーバーなら、自動で動作します。

なお、ICOMでも古いRemote出力のない物や、他社のトランシーバでは自動切替としては動作しません。 ロータリースイッチに依る手動切替器として使います。


基板上、右上の緑の○点が見える小さな基板が Arduino nano に依る自動化回路です

内部に用いたリレーなどは、前回と同じ構成です。 そして、新たにマイクロコンピュータのArduinoに依るバンド機能を加えました。
このCPUは、JA4BUA 繻エさんに依頼して実現した物です。 この物自体は、1KWのホームステーション用に作った物で、押しボタン操作で自動選択中に任意に手動切替を可能としたものですが、移動用としては単純に手動と自動をトグルスイッチで切り替える方法で簡易化しました。

肝心な高周波ラインは、リレー接点の端子に同軸ケーブルRG-174Uを直接半田付けし、基板を貫通して同軸コネクターに接続し、SWRの悪化を防ぎました。
また、50MHzなど高いバンドは、リレーに近い位置に、ローバンドは少し遠くなっる配置としました。 その結果、3.5M, 7Mは、30MHzまでSWR=1.1以下、 14M以上は、60MHzまで SWR= 1.1以下に治まりました。

パネル正面の中央のロータリースイッチは、手動時のバンド選択スイッチです。
右側のトグルスイッチを"Auto"にすると、ロータリースイッチに関係無く、ICOM トランシーバのRemote信号を受けて自動的にアンテナを選択切替致します
このトグルスイッチは、不用意に切り替わらない様に、レバーを引っ張ってから切り替えるロック式としました。

左側のディップスイッチで、アンテナの2バンド共用を可能としました。 移動用アンテナは、シングルバンドアンテナとは限りませんので、多バンドアンテナを随時選択が可能な形としました。
単独移動なので、通常は重いトライバンダーの使用は考えて居ません。 3.5と7M、7と14M、14と21M、21と28Mなど、ワイヤーアンテナに依る隣り合う2バンド共用程度を想定しました。
また、ディップスイッチの使い方に依り、3バンド以上の接続も可能です。  この選択は、手動、自動に関わらず機能します。

50MHz帯は、他のバンドとの共用は、行わない考えです。

WARKバンドなど、予定外のバンドは、手動切替とすれば問題無く使用できます。 また、Arduino のプログラムは、1.8〜50MHzまで全バンドに対応していますので、配線変更すればオールバンド化が可能です。(自宅局は、フルバンド対応の切替器として居ます)

コンテスト移動用として50Wで使う事を目標に作ったのですが、固定局用としても充分に活用可能です。
固定局で使う場合は、10M, 18M, 24Mなども含めてリレードライブ回路を適正化する必要があります。  接点容量5Aのリレーを使ったので、充分に余裕が有り、200Watts 程度迄は実用可能です。


回路図